雅楽 ががく

伝統芸能 その他

  • 指定年月日:19550512
  • 重要無形文化財

 雅楽は、推古天皇のころから、平安の初期へかけて朝鮮、中国、印度、西域、渤海【ぼっかい】などの諸地域から輸入された楽舞をわが国風に改整したもので、その後の芸能に大きな影響を与え、現在、それの発生した地域で滅亡したもののおもかげをよく伝えている貴重な芸能である。
 笙【しょう】・篳篥【ひちりき】・横笛【よこぶえ】・狛笛【こまぶえ】の管楽器、太鼓【たいこ】・鉦鼓【しょうこ】・鞨鼓【かっこ】・三【さん】の鼓【つづみ】の打楽器、琵琶【びわ】・筝【そう】の絃楽器による管絃【かんげん】、これを伴奏とした外来の舞や神楽【かぐら】、東遊【あずまあそび】、久米舞【くめまい】等わが国固有の楽舞【がくぶ】、それに平安時代、上流貴族によって行なわれた催馬楽【さいばら】・朗詠【ろうえい】等がある。
 この演奏(舞)は雅楽の字のごとく非常に雅【みや】びやかな印象を与える。宮内庁の洗練されたそれに接する機会はなかなかないが、篳篥の音は誰でも神社の祭礼時などで聞いている。衣冠束帯の四人または六人がおもむろに袂【たもと】を翻【ひるが】えしたり、奇怪な面の一人、二人の活溌な動きは目を見張らせる。

雅楽

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