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隈部氏館跡

くまべしやかたあと

概要

隈部氏館跡

くまべしやかたあと

史跡 / 九州 / 熊本県

熊本県

山鹿市菊鹿町

指定年月日:20090723
管理団体名:

史跡名勝天然記念物

隈部氏館跡は、中世、肥後国の有力国人であった隈部氏の16世紀代の居館跡である。館跡は、筑後・豊後の国境にほど近い八方ヶ岳山系の南西側山腹、山鹿市菊鹿町上永野の標高340m程の地点に所在している。天正15年(1587)、肥後国主の佐々成政の支配に反旗を翻した肥後国衆(くにしゅう)一揆の中心的人物として有名な隈部親永が隈府城に移るまで、隈部氏が本拠としたのが隈部氏館である。館跡は、主郭を中心に、裏側に堀切2条、西側斜面に小段群、館正面側の南西縁下に大規模な堀切を、館正面に二つの区画を配する。入り口部に石積みの枡形虎口(ますがたこぐち)を設ける主郭では、礎石建物3棟、雨落溝(あまおちみぞ)、炉跡と思われる環状の石組、庭園遺構等が見つかった。見つかった建物はそれぞれ主殿、庭園を伴う会所、蔵や台所の建物と推測される。庭園遺構は、遠くの山並みを背景に、滝石組(たきいしぐみ)最上部に据えられた尖頭型(せんとうがた)の立石(りっせき)を起点として、背後の丘が南へ下がっていく地形に応じるように、順次高さを低くしながら要所に石を立てる構成である。
このように、中世肥後を代表する国人隈部氏の居館であり、戦国時代の国人領主の居館の様相を知る上で貴重である。

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