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種子島国上湊川・阿嶽川のマングローブ林

たねがしまくにがみなとがわ・あだけがわのまんぐろーぶりん

概要

種子島国上湊川・阿嶽川のマングローブ林

たねがしまくにがみなとがわ・あだけがわのまんぐろーぶりん

植物 / 九州 / 鹿児島県

鹿児島県

鹿児島県熊毛郡中種子町・西之表市

指定年月日:20151007
管理団体名:中種子町(平28・5・24)、西之表市(令5・3・16)

史跡名勝天然記念物

マングローブ林は熱帯から亜熱帯の感潮域(かんちょういき)に分布する森林で,特異な形態と生活様式をもった植物群落である。マングローブ林は熱帯・亜熱帯の暖かい地域に分布し,日本では鹿児島県と沖縄県の一部の汽水域(きすいいき)に分布する。北限は暖かいメキシコ湾流が近くを流れる北大西洋のバミューダ諸島で,アジア地域における自然分布の北限は種子島といわれている。マングローブ林を構成する樹木は世界で100種程度あるが,特異な形態の根系,胎生種子などの特徴をもつマングローブ樹種は40種程度,日本では5種だけである。北限域となる種子島では低温耐性の強いメヒルギのみが生育する。
種子島でメヒルギが生育している河川は島の東側に位置する6河川である。マングローブ林の高さは河川の中央部に近い部分では低く1~1.5m程度,辺縁部は4m前後である。地形的に低く周辺から強風があたる地域では,メヒルギの伸長生長が悪く,1個体の占める面積を広げる独特の樹形を呈している。その中で,阿嶽川のマングローブ林は生育面積も比較的広く,良好な生育環境が残されている。北限域で,独特の樹形を呈するマングローブ林が良好に残されている地域として価値が高く,天然記念物に指定するものである。

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