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本山遺跡出土銅鐸

もとやまいせきしゅつどどうたく

概要

本山遺跡出土銅鐸

もとやまいせきしゅつどどうたく

金属製品類 / 弥生 / 近畿 / 兵庫県

兵庫県

弥生時代中期

扁平鈕式四区袈裟襷文

残存高20.3cm・最大幅13.5cm・底短径 6.3cm

1口

神戸市西区糀台6丁目西神中央公園内

神戸市指定
指定年月日:20130319

神戸市

有形文化財(美術工芸品)

東灘区から灘区にかけての六甲山南麓地域においては、一箇所で14口の銅鐸が発見された国宝桜ケ丘銅鐸をはじめ、昭和30年代以前に17口の銅鐸が見つかっており、銅鐸が集中して出土する地域として著名であった。これらの銅鐸はいずれも六甲山系山腹からの出土であったが、本山銅鐸はこの地域で初めて平地から出土した銅鐸である。
 本山遺跡は東灘区本山中町を中心に広がる弥生時代前期から中期を中心とした六甲南麓地域の拠点集落で、当銅鐸は平成元年度に神戸市東灘区本山南町8丁目でおこなわれた、本山遺跡第12次調査において発見された。出土地は集落の南の縁辺部にあたると考えられ、付近には大型石包丁や太型蛤刃石斧・砥石などの石器を埋納した土坑なども検出されている。当銅鐸は弥生時代中期の遺物包含層を切り込んだ土坑に、鰭を垂直から約45度斜めに傾けて埋められていた。
 文様は四区袈裟襷文の小型の銅鐸であるが、文様は鮮明で、鋳上がりは良好である。鈕の大部分は後世の撹乱により欠損しており、接点が不明瞭な破片が近接して1点出土している。欠損部分を復元すると器高は約22㎝程度と考えられる。
 当銅鐸は扁平鈕式新段階にあたり、飾耳がなく、身の下縁の型持孔は幅が広く低い。鰭幅が小さく、身に反りがほとんどないなどの特徴は桜ケ丘4・5号型銅鐸などと共通する。また下辺横帯がなく左右縦帯幅が中縦帯幅よりも狭い。鈕の菱環文様帯が無文で退化しており、本来は菱環部を飾る綾杉文が外縁第2文様帯にあるなどの特徴は扁平鈕式の新段階にあたる亀山型銅鐸とも共通する。                
 本山銅鐸は神戸市内において発掘調査によって初めて発見された銅鐸であり、その出土状況も詳しく判明していることから、同一地域の平地から出土した北青木銅鐸と合わせて弥生時代の銅鐸祭祀を考える上で貴重な資料である。

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キーワード

銅鐸 / / / 扁平

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