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島津稲荷神社奉納面

しまづいなりじんじゃほうのうめん

概要

島津稲荷神社奉納面

しまづいなりじんじゃほうのうめん

有形民俗文化財 / 室町 / 九州 / 宮崎県

宮崎県

室町前期~後期/1379~1551

①吽形面―材質は楠材。眼穴、鼻穴はなし。上部に紐穴がある。眉を寄せ、眼を怒らし、前歯と下牙を現す鬼形である。耳はなく、彩色は施されていない。眼には墨の跡が残る。②阿形面―材質は楠材。眼穴、鼻穴あり。上下の歯と舌を出している。彩色は、胡粉を下地にし、朱で塗られているが、剥落している。墨書銘は見当たらないが、③吽形面と一対であることから、戦国期のものと推定される。③吽形面―材質は楠材。②阿形面と一対となる吽形面である。眼穴、鼻穴あり。口を結んでいるが、その上から上下の牙を出していた形跡(4つの穴)がある。彩色は、胡粉を下地に、朱が塗られている。④阿形面―材質は楠材。両端部が朽損している。眼穴、鼻穴なし。上下の歯を閉じたまま出している阿形面。眉間の上に宝珠のようなものが彫られた跡がある。⑤吽形面―材質は楠材。眼穴、鼻穴なし。口を結び、下牙2本を出した吽形面。眉間にしわを寄せるように眉が巻かれている。紐穴あり。⑥阿形面―材質は楠材。眼穴、鼻穴なし、両眼の横に紐穴あり。上下の歯を出した阿形面。眉間にしわを寄せている。⑦吽形面―材質は楠材。眼穴、鼻穴なし。両眼横に紐穴あり。口を結んだ吽形面。眉間にしわを寄せ、睨みつけている表情。彩色剥落。⑧阿形面―材質は楠材。眼穴、鼻穴なし。眉の横に紐穴あり。上下の歯を出した阿形面。彩色は下地の胡粉が全体に残る。墨書銘なし。⑨吽形面―材質は楠材。眼穴、鼻穴なし。眉の横に紐穴あり。口を結んだ吽形面。⑧阿形面と一対。墨書銘なし。⑩吽形面―材質は楠材。眼穴、鼻穴、紐穴なし。額の中央に貫通穴あり。彩色は、わずかに朱や下地の胡粉が残る。墨書銘なし。⑪阿形面―材質は楠材。眼穴、鼻穴なし。上下の歯を出した阿形面。彩色は、下地の胡粉とその上に塗った朱が残り、眼を墨で縁取っている。⑫吽形面―材質は楠材。眼穴なし。鼻穴あり。口を結んだ吽形面。下地の胡粉と、眼の周りに朱がのこる。眉は墨で描かれている。




①吽形面―面長18.6cm、面幅13.1cm、面高6.5cm。②阿形面―面長33.5cm、面幅23.9cm、面高11.5cm。③吽形面―面長29.5cm、面幅24.6cm、面高10.0cm。④阿形面―面長22.1cm、面幅14.9cm、面高5.8cm。⑤吽形面―面長22.0cm、面幅15.0cm、面高6.0cm。⑥阿形面―面長19.2cm、面幅15.0cm、面高8.0cm。⑦吽形面―面長18.4cm、面幅14.4cm、面高9.8cm。⑧阿形面―面長20.1cm、面幅14.7cm、面高8.7cm。⑨吽形面―面長19.2cm、面幅15.4cm、面高9.0cm。⑩吽形面―面長22.5cm、面幅22.0cm、面高10.0cm。⑪阿形面―面長15.6cm、面幅12.2cm、面高7.5cm。⑫吽形面―面長16.8cm、面幅15.5cm、面高10.0cm。

12面

宮崎県都城市早鈴町18街区5号

島津稲荷神社

有形民俗文化財

『三国名勝図会』によると、島津稲荷神社は建久8年(1197)に島津氏初代忠久が創建したと伝わる。忠久は、大坂の住吉社辺りで生まれたとき、住吉末社であった稲荷明神の擁護があったことから、稲荷明神を崇敬したという。
 『庄内地理志』巻11によると、当社には15面の仮面があったことが記載されているが、現存するのは12面である。ほとんどが阿吽対の仮面であり、南北朝期から戦国期にかけての年号をもつものもある。

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