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甲立古墳

こうたちこふん

概要

甲立古墳

こうたちこふん

古墳 / 古墳 / 中国・四国 / 広島県

広島県

古墳時代前期

広島県安芸高田市

指定年月日:20160301
管理団体名:安芸高田市

史跡名勝天然記念物

甲立古墳は,広島県の山間部安芸高田市東部の江の川(可愛川(えのかわ))とそれにつながるいくつかの河川の合流点に所在する。江の川は,下流において日本海側の石見地域とつながる,中国地方最大の河川である。
本古墳は墳長77.5mの前方後円墳で,葺石(ふきいし)が墳丘斜面のほぼ全面に施されている。後円部平坦面では墓坑1基を検出し,電気探査によると竪穴式石室や礫槨(れきかく)などの埋葬施設であると考えられる。墳丘からは円筒埴輪と器財形埴輪(きざいがたはにわ)が出土した。後円部平坦面には墳丘に沿って円筒埴輪等が樹立し,その内側には5個体の家形埴輪が一列に配置されていた。埴輪の特徴から古墳時代前期末,4世紀後半に築造されたと考えられる。
古墳は均整の取れた墳形,緻密に施された葺石,丁寧かつ精巧に製作された家形埴輪を有し,築造に畿内地域の勢力が深く関わっていたことが考えられる。4世紀後半は大和政権が朝鮮半島と対外交流において関係を深めた時期にあたり,本古墳が瀬戸内海と日本海を結ぶ内陸部に築造されたことによって,大和政権の対外政策のあり方を知ることができる。さらに,後円部での埴輪群は当時の葬送儀礼のあり方を知ることもできる。古墳時代前期の政治や交通そして葬送儀礼のあり方を知る上で重要である。

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