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大原水かけ祭り

おおはらみずかけまつり

概要

大原水かけ祭り

おおはらみずかけまつり

無形民俗文化財 / 東北 / 岩手県

岩手県

岩手県一関市大東町大原

岩手県指定
指定年月日:20170407

無形民俗文化財

(祭りの内容)
Ⅰ 登場人物
① 白木綿の腹巻にほおかぶり、足袋、ワラジといういでたちの厄男たち(男25歳、42歳)
② 「加勢人」と言われる少年たちも、紺の反物に鋏を入れずに縫い上げた特殊な振袖に菅笠を被り、鳴子(なるこ)を背負い、首と腰に上下二段の注連縄風の藁をつけ(兼帯)、わらじ履きの出で立ちに、深く頬を白布で包んで身支度を整える。尚、振袖には祭りに参加できない女性の厄年(33歳)、男性の厄年(25歳、42歳、62歳、88歳)の年齢が大きく印してある。
③ さらに水かけ祭りに参加する加勢人の出で立ちとは別に、走ることができない幼い子供にも加勢人の衣装を着せる。その場合、幼い子供には菅笠ではなく、烏帽子をかぶせる。

Ⅱ 祭りの進行
まず「厄男たち」が八幡神社にそろって参詣し、厄払いの祈祷を受けて、一市角に向かう。その後方に「加勢人」と続く。
※八幡神社の別当寺であった八幡寺は明治40年11月11日に廃寺となり、昭和23年に取り壊されている。
次に裸男は、神木で作った安全祈願のお札を身に付ける。
※神木は杉の木札で、平成2年から渡している。前年に八幡神社で火事があり、その際、燃え残ったご神木の根から木札を作ったもの。それ以後も台風で境内の杉に倒木があった際は、それを材料に木札を作っている。なお、八幡神社境内の杉は、延宝4年(1676)に五代藩主吉村の実父の伊達宗房が神社を再興した際、宗房の母慶雲院が寄進して植樹したものである。
打ち上げ花火とともに「旗切り」という出発の合図で、集団が一斉に町方に駆け出す。先頭には「火防御祈祷」の旗を持った「旗持ち」、続いて裸男たち、後方に加勢人の少年たちが従って、町内の目抜き通りを走り抜ける。沿道に待ち構えた人たち(女性は参加できない)は、走って来た集団に「清め水」をかけ、厄落しをする。
全コース500㍍余りを5区間に区切り、区間毎に態勢を整え直し、旗切りをして走り進むこと5回、全コースが終わったところで集団が解かれ、裸の男たちは、これが終わると近くの川に入って、身を洗い清める。寒中に水を浴びることによって厄を落とし、あわせて火難(かなん)除け、火防の祈りをするのである。
そして最後に、帰路、各「年賀会」事務所前で再び輪を作り、改めて祝水(納め水)を浴びて行事は終了する。

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キーワード

行事 / 厄年 / 祭り / 作る

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