黒韋威胴丸 兜、大袖付 くろかわおどしどうまる かぶと、おおそでつき

工芸 / 南北朝  室町 / 近畿 

室町
 胴は、鉄と韋の板を一枚交ぜとした黒漆盛り上げの小札で、濃い藍染めの黒韋で毛引きに威す。耳糸は白・薄紫・紫・萌葱・紺の五色の亀甲打で、畦目は同配色の小石打とする。菱縫は…
兜鉢高12.5 胴高31.0 大袖高 41.3 (cm)
1領
重文指定年月日:19270425
国宝指定年月日:20160817
登録年月日:
国宝・重要文化財(美術品)

 黒漆盛り上げの本小札を黒韋で威した胴丸で、当初からの一具とみられる兜と大袖をともなう貴重な遺例である。
 中世における甲冑は、大鎧、胴丸、腹巻の三種類に大別される。これらのうち、騎乗の武将・大将格が着用する大鎧は、兜・大袖とともに大形かつ重厚で、騎射戦における堅牢性を重視したもので、防御性が高い構造になっている。これに対し、胴丸および腹巻は、徒歩での機動性と軽快な動きを求めて、体に密着して、着装も簡便な構造となっている。そのなかでも、より軽便な腹巻に比して、胴丸はやや重厚な造りで、より防御性を具えたものといえる。本来、兜・大袖は、大鎧に附属するものであったが、鎌倉時代末から南北朝時代頃にかけて、胴丸とも組み合わせて用いられるようになり、最初から一具として製作され始めたと考えられている。
 本件は、威糸や金具、染韋、組紐など、総体の造り、構成の統一性からみて、胴・兜・大袖のいずれも当初から一具として製作されたものと見てよい。類例としては、国宝・黒韋威矢筈札胴丸[奈良県・春日大社蔵]、重要文化財・樫鳥絲威肩赤胴丸[東京都・独立行政法人国立文化財機構蔵(東京国立博物館保管)]、重要文化財・紺糸威肩白赤胴丸[長崎県・松浦史料博物館蔵]などが知られる。これらのうち、黒韋威矢筈札胴丸は、兜・大袖付きの胴丸として、南北朝時代に遡る最初期の遺例である。一方、樫鳥絲威肩赤胴丸、紺糸威肩白赤胴丸などは、兜の形状や金具の造作、染韋や組紐の技法などからやや時代が下がるものとして、室町時代の製作と見られる。本件においても、曉の下がりが水平気味となってやや笠曉風にみ…

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